医療崩壊は既に始まっていた
今年はコロナ禍で、関西の方が早かったが
医療崩壊、ということが叫ばれた。
進まないPCR検査、入国者の検疫の杜撰さ、
中途半端な緊急事態宣言。
こんな事で大丈夫なのかとの不安は的中し、
発症者の入院病床が確保されず、自宅で亡くなる人が相次いだ。
国民皆保険のこの国で、致死的な病気になっても
何の手当もされず放置されたまま国民が死んでいくのだ。
放置死されたひと、そしてそのご家族はどんなに悔しい思いをされただろう。
でも、国民の多くは無関心だ。
自分だけは大丈夫という自信がなぜだかあるのだろう。もしくは自宅で人が亡くなっているという事実を見聞きしていない人も多いかもしれない。
医療崩壊は私たち線維筋痛症の患者の中ではすでに何年も前から始まっていました。
失神して救急車で運ばれても拒否される。
痛みは目に見えないからと信用できないと治療を拒否される。
全国に何人の患者がいるかも正しく把握されない。
調べない、知らせない、助けない
これがこの国が繰り返しできたお家芸だ。
平時においても、少し名前の知られていない、
ややこしい病気だと平気で切り捨てるのだ。
私達こんな事おかしいじゃないか、と訴えてきたのは
自分たちだけのためではない。
この日本に住んでいたら、いつ誰が医療崩壊に巻き込まれるかわかりませんよ、という警告も含めて声をあげていたのです。
コロナ後遺症で苦しんでいる人たちがいる。
その人達の声を聞くと、私たちの困ってきたこととまるで同じだ。
いつまでも体調が悪いのは気のせいだ
そんなの病気では無い
診断書など書けない
と言われているそうだ。(実際、コロナ後遺症の症状は線維筋痛症やCFSと共通点が多い)
WHOがコロナ後遺症の研究に巨額の予算を投入したことなど、日本には関係ないのだろうか。
そして、コロナ禍で、線維筋痛症の診療拒否もますます増えている。通院時に体温検査でひっかかり、随伴症状の微熱で何年も続いている、と説明しても病院の玄関口で追い返されるのだ。
PCRはもちろんさせてもらえない。
主治医に問い合わせる余裕も無いのか。
医療従事者だけを責めても始まらない、政治は行政は何をしていたのだろう。
その患者は半年近く診療できず、わずかながら動かせていた背骨の可動域がゼロになった。
今回コロナが終息したら、すぐ忘れ去られるかもしれない。しかし日本はいつ医療崩壊してもおかしく無い状況がこれからも続く。コロナよりもっと大きなパンデミックや災害が起こらないと誰が言えようか。そうなった時初めて気づいても遅いのだ。